女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

★太鼓判?!を押されました。

先日、美容関係の仕事をしている方が来院されました。まだ、美容鍼は受けたことがないけれど、写真を撮る機会があるためぜひ受けてみたいとのことでした。後日いらっしゃった際に、お化粧の乗りがとても良かったです!との感想をいただきました。美顔のお手入れとの相乗効果が出たのですね!

 

美容鍼灸は顔面だけにたくさんの鍼を刺すイメージを持っている方が多いかもしれませんが、お顔は身体の一部なので、全身の良好な流れを維持することがもっとも大切で、それにプラスしてお顔の血流が促進されるよう施術します。顔面のみに鍼を刺すと、全体のバランスを崩す元になりかねません。

 

最近はマスクの影響がまだあるのか、知らぬうちに歯を食いしばっていて「どうしても顔に力が入ってしまう」という訴えが多いです。こういう時は、頭部の筋肉も緊張しています。美容鍼灸は、緊張し過ぎた筋肉の弛緩効果や細胞の新陳代謝をアップし、ムクミの改善などの効果が期待できます。

美容鍼灸

 

★足を組むことの悪影響は?

座っている時に、足を組んでいないと疲れてしまうという方がいらっしゃいました。足を組むのは同じ姿勢による疲れの解消や、歪んだ骨盤の態勢を少しでも楽にしていたいからなどの理由が考えられます。その方は膝下の血管の手術をしたことがあって、しびれた感じがあり、感覚も鈍くなっています。

先日、椅子から立ち上がって歩き出したら、足がもつれて倒れ込んでしまったとのこと。悪いことに、手術した側の足を上にして足を組むと落ち着くのでそのようにしていたようです。その状態は、膝の後ろを通っている動脈を逆側の膝がしらでかなり圧迫し、血流が悪くなってしまうと思われます。

そんな状態で急に歩き出したため、途絶えがちな血流により、感覚がほとんどなくなってしまい、まさかの結果になったようです。骨盤の歪みは、特別な原因を除けばやはり毎日の積み重ねによるものと考えられます。太ももの内側の筋力維持のためにも、膝を合わせて座るようにしていきましょう!

足組みの悪影響

 

★ザーッという変な耳鳴り!?パート2

前回、耳鼻科で髪の毛を抜き取られ、その刺激による違和感はあったものの、2日間は血管性耳鳴りもなく、安堵して眠れましたが、3日目の夜にまた聴こえだしました。まずいと思って、また同じ耳鼻科を受診しました。すると先生が開口一番、一週間でこんなに耳垢が溜まるなんて普通ないよ!と。

何かやったでしょ?と真剣にこちらをにらみます。「とんでもない!です、怖くて触るどころではなかったですよ!」と何度も言い返し、先生はぶつくさ言いながら、前回の3倍くらい強い吸引力で、耳垢を取ってくれました。また違和感でしばらく嫌でしたが、それ以来例の耳鳴りは聴こえません。

耳垢は耳垢腺から出る汗や、皮脂にホコリや角化した表皮などが混ざったもので、自然と排出されるはずですが、外耳道が狭かったり曲がっていると溜まりやすいそうです。私の耳垢はべたつかないタイプですが、イヤーホーンが付けづらいので、外耳道が狭いのかもしれません。とりあえず、一件落着です。

耳垢腺

 

★働き過ぎは禁物!

膝下に浮腫みが出ている後期高齢の方がいらっしゃいました。働き者のその方は、頼まれればいいよ、いいよと言って何でも引き受けるという心優しいお姑さんでもあります。心臓の手術をしたことがあるので、このところ胸が苦しいということはないですか?と聞くと、ここだけが昼間横になれるのよ!と。


新しい家族が増えたため、日中は掃除、洗濯、食事の支度、風呂掃除等を一手に引き受け、さらにミルクを作って飲ませることもしばしばあるとのこと。腰が曲がっているため、ただでさえ動きづらいところにもってきて、一日中動きっぱなし。鍼灸院に来る時だけがゆっくりできるということです。

子供さんの同居で、若い世代が全員働きに出るために引っ張り出されるなら、まだ理屈が通る気もしますが、そういうわけではないようです。もう少しの配慮が欲しいところです。少し横になりたいからと、日中も数十分の休み時間を取って、まずはご自身の体調と向き合うようにお願いしました。

心臓の機能低下でみられる症状

 

★ザーッという変な耳鳴りが聴こえる!?

先週の金曜日に、急に左の耳の奥がガサゴソ言い出しました。耳垢が動いているのかなと、気にしないようにしていたのですがその日の夜、就寝中に目覚めると、左耳の奥でザーッ、ザーッと心臓の拍動と同じくらいの速さで血液が流れるような音が聴こえます。通常の耳鳴りとは全然違う、生々しい音でした。

今回のような、心臓の拍動に伴ってザーッという音が聴かれるのは、血管性耳鳴りと言われ、血管が何かの原因で狭まっているか血流が早くなっているなどの異常事態の可能性もあり、緊急性を要する脳卒中が疑われたりもするため、急に不安になり、耳鼻科を受診しました。

 

先生が中をのぞき込み、耳垢を取りますね!と言われ、やっぱりそれなのかなと思った途端、「鼓膜に髪の毛が刺さっている!」と。抜き取る時に鼓膜を思いっきり刺激されて痛くはありましたが、それからは変な耳鳴りは感じなくなりました。難聴もなかったので、このまま一件落着となりますように!

鼓膜に髪の毛が!!

 

バネ指のリハビリボール?!

一年ほど前、左の親指がバネ指になりました。仕事はテーピングなどして、大きな支障はありませんでしたが、この一年はバネ指と共にリハビリに励んだ日々でした。整形外科を念のため受診して、漢方薬を飲んでゴムボールを握るリハビリをしてください、と言われたのでお風呂の中で毎日続けました。


そして一年後の今は元通りになっています。最初はボールを握ることも辛く、先を見通せず暗澹たる思いでしたが、来る日も来る日もボールリハビリをしながら、はりやお灸、マッサージをしてもらうなどしているうちに、だんだんとボールを握っても痛くない!までになりました。継続は力なり!!ですね。

ばね指の原因はほとんどが手の使い過ぎで、指の深指屈筋腱という指を曲げる時の筋肉の腱鞘(筋肉の最後の部分は腱となっていて、浮き上がらないように鞘に収めてある)部分の炎症で、腫れあがり腱が鞘を通りにくくなるため、通る時に痛みが出て、バチンと音がするように感じ、弾発指とも呼ばれます。

リハビリボール

 

★脊柱管狭窄症とは?!

脊柱管狭窄症は様々な原因で発症しますが、そのひとつに筋肉の緩みがあります。脊柱管は頭蓋骨の底辺から腰の辺りまで脊髄が通っている管です。管といっても、背骨に穴が空いていてそれらが重なって出来上がったものなので、バラバラにならないように、骨の回りは細かな筋肉で支えられています。

その支えとなっているのは、腹筋や背筋という大きな筋肉もありますが、さらに小さな筋肉が背骨同士を繋いでいます。これらの筋が日夜微調整をしてくれているお陰で、体幹が維持されているのです。これらの筋が緩んでしまうと背骨が前に滑りやすくなり、管の位置がずれるので、脊柱管は狭くなります。

 

すると、脚への血流障害が起きやすく、下肢の大きな筋肉が動かせなくなり、ほんの短い距離の歩行でも、途中で休まざるを得ない「間欠性跛行」がみられるようになります。動く時はへそ下をしっかり締めるイメージを持って、背骨回りのインナーマッスルを意識していると骨は滑りにくいでしょう。

脊柱管狭窄症