先日、ＬＤＬコレステロール（肝臓から血中にコレステロールを運ぶ）が基準値以上の人は、降下剤を飲んでもらいます！と宣言する医師がいて、本当に薬を飲んだ方がいいのかしら？と聞いてこられた方がいました。一概には言えず、LDLとHDL（余分なコレステロールを肝臓に戻す）の比率も大切です。
コレステロール値は、日本の様々な学会で基準値が決められていて、それぞれ捉え方が違うようですし、アメリカの学会ではその基準値も全然高く、治療を要するとされる値も違います。同じ値でも性別や糖尿病のある人、たばこを吸う人、高血圧がある人と、そうでない人では治療方針が違うのです。
またコレステロールは、食事後約8割が必要に応じて肝臓で様々に合成されるので、食による影響は相対的に少ないとされています。そのため、LDL値だけを見て一喜一憂することにあまり意味はなく、まずは薬よりも患者自身が生活習慣を上手にコントロールするよう指導してくれるといいのですが。
