最近よく耳にする暑熱順化ですが、体を暑さに慣れさせるという意味です。ヒトは運動や仕事で筋肉を使うと、体温が上昇しますが、皮膚に近い血管を拡張することで、体表面から熱を逃がしたり、汗をかくことでその水分が蒸発して身体の熱を奪う気化熱により、熱がこもらないようにしています。
ところが、ヒトにはそのような体温調節機能があっても、急激に暑くなるとその変化に適応するのが難しいため、徐々に慣らしていくことが肝心です。日頃から湯船に浸からずシャワーのみだったり、少し熱いと冷房に浸かる、冷たいものを飲み過ぎるなどで汗をかかないと、対応が遅れてしまいます。
また、体を暑さに慣れさせないでいると、急な発汗の際にホルモンの関係で塩分も失われやすく、脱水状態を招きやすく、脳の体温調節中枢も異常事態となってしまいます。初夏の気持ち良い気候の時は、冷房を控え、散歩や、湯船に浸かって発汗するなどで、暑さに順応できる身体にしていきましょう。