脇の下で体温を測ると、左右で温度が違うことがありますね。先日、鍼灸院の患者さんから質問がありました。両側を同時に測ったことがなかったので、私も何度か測定してみました。するとほとんどの場合で左が右より高く測定されました。
そこで、患者さんには推測ですがと断って、からだの少し左に位置する心臓、そしてそこから出たての温かい血液を運ぶ動脈が上に向かった後、からだの左側にヘアピンカーブを描いて下降するので、どちらかというと左側の脇の下の方が高く測定されるのかもしれませんとお答えしました。
脊髄の疾患で片側に自律神経障害があると、体温調節が行えず、左右の温度差が生じます。健常者は、その体温調節が環境に応じて行われ、暑ければ発汗して体熱を発散し、寒ければ血管を細めて体温を温存することが出来ます。そのようにして動脈の位置による微妙な体温の差が生まれるのかもしれません。