レイノー現象という症状があります。主に冷たい刺激で手の指や足の指が、急に白くなったかと思うと徐々に紫色になり、今度は赤くなって元に戻るという現象です。毛細血管が蛇行している人、強皮症や関節リウマチなどの膠原病でみられるものです。
こうした症状のある患者さんに、血管拡張剤や血管収縮を抑える薬が使用されていましたが、良い結果は得られていないそうです。そこで、こうした患者さんの腕(血圧測定で圧迫帯を巻く辺り:上腕動脈の拍動を感じる)にカイロを巻き、症状の変化をみるという実験がありました。
その結果、ひじ上のカイロによる温熱刺激でレイノー現象が緩和され、また血管をつくる物質の分泌が増加し、毛細血管の蛇行が改善する可能性が示されたそうです。これはお灸による温熱刺激にも通じると考えられ、継続的な鍼灸治療もこうした効果が期待されそうです。