寒い冬の朝や冷たいものに触った時、精神的な緊張などで、手や足の指が真っ白になった経験はありませんか。これは「レイノー現象」と呼ばれ、主に関節リウマチなどの膠原病と呼ばれる自己免疫疾患でみられやすい症状です。膠原病は膠原繊維(皮膚の下の筋肉や神経以外の部分)に炎症が起きる病気です。
膠原病では、手足の指の末端の毛細血管に蛇行があることが知られていますが、前述のような刺激を受けると、細かな血管がキューッと細くなり血液が滞り、痛みや感覚の低下が起き、その後元に戻って皮膚の色も改善するレイノー現象がみられます。この症状を持つ人による興味深い実験の報告があります。
肘の上部を一週間、毎日使い捨てカイロで温めて過ごす週と温めない週を設けて、温めた週では症状の緩和がみられ、さらに指先から血液を採取すると、血管構造を安定化する因子が増加し、血管の蛇行が改善する可能性が示唆されました。一例ですが、毎週お灸をすることで、同様の効果を得たことがあります。