逆流性食道炎は、最近しばしば聞かれる疾患名です。症状は主に胃酸を口の中で感じるような胸やけです。高齢になると食道と胃を隔てる筋肉が緩みやすくなって、胃酸が食道側に逆流するとされます。ここで問題なのは、胸やけ症状を訴えると、胃酸を抑える薬が処方されることです。
胃酸は通常pH2くらいですが、年齢と共にpHは上がり、胃酸抑制薬を飲まない高齢者で平均pH2.7、服用するとpH4.8という統計がありました。胃酸のpHが3.9以上になると食肉のタンパク質の消化性が落ちるという報告もあり、消化能力が低い高齢者は薬の作用でますます消化能力が落ちかねません。
出来るだけ、薬に頼らずに欧米化した食生活や食物の過剰摂取を避け、刺激が少ないものを腹八分程度に摂取することを心がけましょう。また、胃を圧迫しすぎると胃酸の逆流の原因になるので、前かがみ姿勢を避け、無理をして重いものを持たない、肥満や就寝前に食べ過ぎないよう気を付けましょう。
