女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

なぜ冷え性になるのでしょう。

 現代人のライフスタイルの中で特に仕事場では、朝から晩までコンピューターとにらめっこという人が大変多いと思います。にらめっこしていても、ちょくちょく立ったり座ったりという場合はまだいいのですが、トイレと休憩時間以外は座っているという方の場合下半身の血流が悪くなるのは当然といえます。

歩くということは腰(骨盤の骨も含む)を左右に振って下肢が前や後?に出ることなので、骨盤内の腸管や膀胱、生殖器胃下垂の人は胃まで骨盤内に落ちていますが、それらの臓器が適度にマッサージされて血流もよくなるので、血行促進には最も簡単で欠かせないツールとなるわけです。

骨盤内の血流が悪いと心臓へ戻るべき血液も滞りがちになり、二酸化炭素の多い血液が下半身に必要以上に滞留しますので、酸欠に近い状態では各細胞がエネルギーを作れず、体温が上げられません。そのような状態が長引くと冷えという感覚を得ることが常態化してしまいます。

また、椅子に座って行う仕事でさらにパソコン画面をみつめていると腹式呼吸が行われず、胸式呼吸つまり横隔膜の移動が少なく胸郭もあまり広がらない状態で浅い呼吸になります。無意識に行う呼吸は最大の肺機能の10~20%しか使っていません。

長い間使われない肺胞は血行が悪く病原体への抵抗力も落ちてきて感染症の危険にもさらされます。横隔膜は息を吸うと縮まり骨盤の方まで下がります。すると骨盤内の臓器はやはり適度なマッサージをされるような形になり、血流が促進されるのです。毎日少しの時間でも腹式呼吸を意識して行いたいものです。