爪（爪甲）の中央部分が凹んで、両端がせり上がったように反り返った爪のことをスプーン状ネイルと呼びます。原因はいくつかあって、ひとつは爪の両端を丸く切るとよく巻き爪になると言われますが、そうした切り方をしていると爪甲が指腹に加わる力を支えきれずにさじ状爪になる場合です。
また、スプーン状ネイルは女性に圧倒的に多い鉄欠乏性貧血でみられます。爪は代謝回転の速い細胞で3～4㎜/月ほど伸びますが、鉄が不足すると爪が弱くなり匙のように中心が凹んだようになります。鉄欠乏では、3日で入れ替わるとされる消化管の粘膜や舌も細胞が弱まり舌炎などもみられます。
鉄欠乏は地球上でもっとも頻度の高い栄養障害と言われるそうです。克服するには、鉄と共に赤血球を構成するタンパク質も必要なので、やはり肉のレバーや赤身の魚、あさりなど、さらに鉄の吸収を高めるビタミンCが豊富に含まれる緑黄色野菜を一緒に食べると効果的です。
