先日みえた80代後半の患者さんは、既に腰部脊柱管狭窄症と診断されていました。縦に積み重ねられた背骨はその間に縦長の空洞ができます。それが脊柱管で、中枢神経である脊髄が収まっています。
そこが様々な理由で狭くなるので、脊髄が圧迫され炎症が起き、脚のしびれや痛みなどの症状が出るとされています。さて、この患者さんは少しでも楽になればと鍼灸にいらしたのですが、別の病院の脊椎専門の先生に診てもらう予定でした。
すると病院では3時間待たされたあげくに、MRIで約30分の仰向けというこの患者さんが、最も痛くて辛い状態を余儀なくされたのです。そして数か所所見がありますと言われ、でも歳だから、手術は勧められませんね、という一言。
もうそれからは家の中でも杖なしでは歩けず、腰も痛むし、外に出る気もしないということで、鍼灸治療にもいらっしゃれなくなりました。今までは、一人で電車に乗っていらしていたのにです。検査で体を痛めてしまうのは本末転倒です。