女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

★気圧の変化に翻弄される気象病

大雨や、それに続く台風と、このところの天候不順で、体調を崩した方が多かったと思います。ようやくここ数日、本来の秋らしさが戻ってきたなと思ったのもつかの間、またまた、新たな台風が近づきつつあります。

前回の台風はかなり気圧が低く、一気圧(いつもの大気圧)との落差が大きければ大きいほど、体には影響力が強いことになります。誰もが、この気圧の変化を大なり小なり体で感じているわけですが、特に敏感に感じる人にとっては、たまったものではありません。

体の中で、血管を広げたり、狭めたりすることに大きく関わるのが、交感神経ですが、いつもの気圧と違うと血管に加わる圧も変化して、交感神経の作用もかき乱され、副交感神経とのバランが悪くなり、体調が崩れがちになります。

頭痛や、昔痛めた関節が痛んだり、吐き気、めまい、耳鳴り、むくみなど、さまざまな症状が出てきます。気圧の変動がおさまるのが、何よりなのですが、鍼灸治療は高ぶった自律神経を落ち着かせ、交感神経・副交感神経の乱れたバランスを元の状態に近づけるためのお手伝いができると考えております。

京浜東北線 鶴見駅西口徒歩1分 女性のための鍼灸治療室 ミキ・クーレ

★赤ちゃんとマッサージオイル

先日入ったイタリアンレストランで、お料理がとても美味しかった上に、お土産にボタニカル・エッセンシャルオイルをもらいました。植物性と聞いただけで、肌に優しいかなと思い、よろこんで使わせてもらっています。

ところで、以前、ピーナッツオイル入り保湿クリームが、生後6か月以内の赤ちゃんに使われて、その結果、クリームを塗ってもらった赤ちゃんのほとんどが、大きくなってからピーナッツアレルギーを発症したという報告がありました。通常、赤ちゃんの肌は、しっとりしているように見えますが、生後3か月ころからは乾燥もしやすく、保湿に気を配ることも必要なようです。湿疹やオムツかぶれなどで、皮膚に炎症があるときに、かわいそうだからと塗ってあげたピーナッツオイル入りクリームが、つらいアレルギーを引き起こしたのでは、本末転倒です。

湿疹も何もない健康な肌に対しては、ピーナッツオイルなどの植物性のオイルを塗っても何も問題はないのですが、そうした炎症を起こしている皮膚は、体が外敵から自分を護ろうとして、免疫細胞が過剰に興奮しているので、クリームの成分のピーナッツに対する抗体が、赤ちゃんの体の中で作られてしまいます。その後、食物としてピーナッツを食べた時に、必要のない免疫が働いてしまい、アレルギー反応を起こすと考えられています。 炎症を起こしてしまった肌の場合は、病院で処方される薬用のものを使用し、日頃は、さまざまなベビー用クリームが販売されていますので、内容を確認の上、できるだけ保湿を心がけてあげたいですね。

★赤ちゃんとおっぱい

先日、マタニティ鍼灸を受けにいらしている方とおっぱいの話になりました。出産後、直ぐにおっぱいが出るかというと、そうではないのです。初めて出てくるおっぱいは、少なくとも3~4時間経って出てくる黄色い液体で、お乳というより、苦い薬のような味だといいます。

これは赤ちゃんが、胎児だった頃の便をきちっと排泄するのに大変役立ものなので、とても大切な飲み物です。赤ちゃんはこれを最初のおっぱいとして飲むことで、消化活動が始まるそうです。 初乳から二日ほど経つと、白っぽいサラッとしたお乳が出てきます。これには乳酸菌が多く含まれ、これを飲むことで、これから先の乳糖が多い母乳を消化させやすくする準備ができるそうです。 それも数日で終わり、そこからが本格的な母乳が出だすそうです。赤ちゃんは、産後3~4日は水をあげなくても大丈夫なほどの蓄えがあるそうです。ですので、あせらずに出来るだけ初乳を飲ませてあげて、さらには赤ちゃんにとって必要欠くべからざる免疫細胞が多く含まれている、お母さんのおっぱいを飲ませてあげたいですね。 産まれたばかりの赤ちゃんは、準備は万全に整えてきたとはいえ、外敵に対して無防備な状態です。それなのに突然、この我々が住む病原微生物がうようよしている世界へ出て来るのです。何らかの守る力が働かなくてはなりません。それが初乳から始まるお母さんのおっぱいです。赤ちゃんの発育に沿った成分になっているという優れもの。母は偉大ですね!

★しっかり食べたはずなのにお腹が空く!?


仕事で忙しく、食事時間がきちんと取れない人や仕事もしていて子育てもしているママたちは、自分のためにかける時間がかなり削られてしまい、食事もしっかりとれていない人も多いのではないでしょうか。

そうすると、簡単に手に入り直ぐに摂取できるパンやゼリー状の飲み物などを食べて、済ませてしまうなんてことも起こりがちです。
こうしたパンそれも菓子パンのような糖質が主のものは、胃での滞留時間が2~4時間くらいと、たんぱく質の4~6時間に比べて結構短く、せっかく食べたのに空腹感がすぐやってくるということになります。
また、パンのような糖質中心の栄養だけでは身体の組織がつくられにくいので、まんべんなく栄養を取り入れる工夫をしましょう。
バナナなどの果物、ひとくちサイズのチーズやナッツ類、インスタントの味噌汁、野菜スープなども、最近は内容が濃く、質の高いものも手に入る時代です。そういうものはどんどん活用したいですね。

また、飲み物で糖質を多く含むものも、できるだけ避けましょう。
糖質はエネルギーとして使われなければ、脂質として脂肪細胞や、肝臓などに蓄えられ、肥満の原因や、脂肪肝にもなりかねません。
毎日の食生活は大切です。自分のからだに入ってくるものですので、感謝しつつ、適量をいただくよう心がけたいものです。

もちろん、胃や腸での消化吸収能力も栄養を取り入れるにあたって、大事です。鍼灸治療は消化吸収作用を含む、全身の調子を整えるのに大変役立ちます。

★魚の目はお灸(きゅう)がいいね!

つま先が狭い靴やきつい靴、逆に少し大きくて足が靴の中で遊んでしまう靴など、足に合わない靴をはいて、機械的刺激が加わると皮膚が硬くなります。よく見ると、中心にさかなの目玉のような部分を発見することがあります。これが魚の目です。ウイルスが入り込んでいる場合もあるとのこと。特に足の指の付け根付近にできると、歩く時とても痛みます。

そんな時、その中心部分が少し出っ張っていれば、軽石で平らになるまで擦ります。それでもまだ、中心部分は白く充実しているので、その直径に合わせて、もぐさを置いて焼きます。これがお灸です。もぐさを五回十回と置いて焼くうちに、皮膚が黒くなってきます。角質化していますので、熱くも痛くもありません。これで、痛みはほとんど消えます。またできてしまう可能性はありますが、痛みを放っておくと、歩行のバランスが乱れ、腰痛やひいては首肩こりの原因となることも考えられます。

女性のための鍼灸治療室ミキクーレでは、無料のお灸教室を開催します。現在は日程調整中ですが、興味のある方にはご連絡を差し上げますので、前もってお申し出ください。09071729051担当:大倉まで。ご連絡お待ちしています。

★タコの扱いは優しく!!?

足の裏は、タコ(繰り返しの刺激により、皮膚が硬くなった状態)ができやすい部位の筆頭かと思います。ペンだこもありますが、最近はペンだこができるほどペンを持って何かを書くこともないですね。

このタコですが、足の親指の付け根や、足の小指の付け根、かかとなどに多くみられます。
それは、おおむねこの3点にからだの重さがかかっていることも原因のひとつではありますが、やはりハイヒールや先細りの靴を常用したり、足部の筋力の弱まりとともに変形が起き、靴によって圧迫が加わりやすくなることも原因と考えられます。

このタコが育って?しまってもそのまま放置している方が少なくありません。左右でバランスよくタコがあると、それほど違和感を感じなくなってしまうことも考えられますが、特に左右差のあるタコを放置しておくと、歩き方が乱れ、腰痛や首肩こりへと発展もしかねません。また、そのタコを病院で処置していただくわけでもなく、カッターや爪切りなどで切ってしまうという、言ってみれば荒療治をされている方も結構いらっしゃいます。

悪くすれば切りすぎてしまい、炎症を起こしたり、感染を起こす危険性も出てきます。できれば、そこまで行く前に、優しく扱ってあげたいものです。お風呂で充分温めて、天然の軽石(人工のものは削りすぎになってしまうことも)でタコをやさしく擦り、硬さが消えたらそれまでにして、あまりやり過ぎないことが大切です。そのあと、クリームを塗って、履き古した靴下などで覆ってあげて就寝すれば、翌朝にはしっとりとした足裏になってくれています。ぜひ、無理をせずこつこつと擦って少しずつ改善してくださいね。

★無事に出産しました!

妊娠7か月からマタニティー鍼灸に通ってくださっていた患者さんから、無事出産して、今は家でゆっくりしています、もう少し落ち着いたら体調を整えたいので予約します、という内容のメールをいただきました。さまざまなサポート体制の元、出産に臨まれる方がほとんどですが、ご報告いただくと、とても安心します。ご無事で何よりです。おめでとうございます!

産前産後の体調は、人により違いますが、妊娠中や、産後子宮が元の状態に戻るための期間、授乳期間などは、ある意味いつもとは違う身体になっています。授乳のため睡眠が乱れたり、ホルモンの状態も違っているので、生理もきません。女性にはこうしたホルモンの状態が大きく変わる時期が、ライフステージの中で何度か訪れます。そういう時期は、免疫細胞の動きにも変化があることが知られています。女性ホルモンの関係で、自分自身の細胞に対する抗体をつくってしまう自己免疫疾患を発症しやすくなるといわれます。関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどは自己免疫疾患の代表的疾患名です。

ですので、産後はけっして無理をせず、気持ちを穏やかに保ち、身体も緊張をせぬようゆっくりさせてあげたいですね。産後の鍼灸治療は育児に少し疲れたママを心身ともに和らげて、体調を整えるのに適していると考えられます。