ホットフラッシュを含めた更年期のさまざまな症状は、一種の‘禁断症状’という側面があります。小学校高学年くらいから生理が始まり、平均51歳くらいで閉経を迎えるのが一般的といわれますが、閉経を境にした前後5年間を更年期と呼びます。
その約40年間は定期的に女性ホルモンにさらされた状態にあるわけです。そうなると閉経を迎えて急激に女性ホルモンのエストロゲン欠乏状態となり、おかしい!と身体のさまざまなセンサーが働いて、脳の中心部である下垂体や視床下部からのホルモン分泌が盛んになります。
それらのホルモンと共に甲状腺ホルモンやアドレナリンなどが出ることで、代謝の亢進が起きたり、血管収縮作用が起こったりと身体じゅうでさまざまな反応が起こります。それもいままでの身体の状態になんとか戻そうとする健気な神経系の調整作用の結果です。
それが極端なかたちで見えるのがホットフラッシュと呼ばれる発汗作用であり、末端の血管収縮に伴って、下半身は冷えて上半身だけほてってしかたないという状況におちいるものと推測されます。生理が始まる時にも生理周期の安定には時間がかかるものです。
それと同様、終わる時にもその人それぞれの身体調節能の特徴によって時期が決まるもの考えられます。生理周期が3年ほどで定まってきた人は、だいたい3年くらいで閉経後の体調のバランスが整ってくるというわけです。
あまりに発汗がひどいからと、汗を拭きすぎたり身体を冷やすのは逆効果です。腹巻やレッグウォーマーをするなどして下半身の熱を逃がさないようにしたりあるいは温めたりするのが効果的です。