ほとんどの日本人が2歳までに感染するとされるヒトヘルペスウイルス6Bは、赤ちゃんの突発性発疹の原因ウイルスです。水痘・帯状疱疹ウイルスが、神経節に潜伏感染して、免疫低下時に帯状疱疹を出現させるのと同じように再活性化します。
このヒトヘルペスウイルスが、再活性するとヒトの嗅覚器官で鼻腔の天辺にある嗅上皮という神経細胞を、さらに脳内で嗅覚の情報処理をする嗅球も死滅してしまうという報告があります。実際にうつ病患者さんでこのウイルスに対する抗体を持っている人が約80%、健康な人では約24%だったそうです。
嗅球は、免疫作用があるとされますが、すぐそばの頭蓋骨に穴が開いていて、免疫低下時にウイルスが侵入してしまうと、脳への感染が起こり、ウイルスが増殖し、脳のストレスが高まって、うつ病発生につながると考えられています。今後、抗体検査での早期発見がうつ病予防の鍵となるかもしれません。