女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

季節が変わるとき、ほんの少しの心がけが大切です。

夏は太陽が近くなり、光の粒子が皮膚に当たるまでの距離が近づくいので、それだけダメージが強くなります。夏の肌は紫外線でダメージを受け、またこれからの季節は乾燥によるダメージを受けることになり素肌は健気にもがんばっています。

太陽の光はカルシウムの吸収を助けるビタミンDの産生やガンの予防にも役立つなど、もちろんわれわれには欠かせない自然の恩恵です。東洋医学では風暑湿燥寒(ふうしょしつそうかん)という自然のさまざまな恵みも、人体の状況によっては、邪気になると考えます。

涼やかな風は気持ちいいですし、適度な暖かさは心が開放されます。また、湿度も適度にあることで皮膚や粘膜の潤いが安定します。乾燥も爽やかな心地よさを運び、寒さは気を引き締めるなど、健康な状態では自然の恵みと感じられます。

ところが、人体内部に乱れがあるとこれらの恵みが一転してしまいます。お風呂上りに夜風に当たったり、飲食不足で猛暑日を過す、雨にぬれたそのままの服装で冷房にあたり、乾燥した部屋で口を開けて居眠り、薄着で寒い夜に外出するなどして、身体の乱れにつけ込まれ体調を崩してしまいます。

秋は特に乾燥が気になります。ウイルスの活動も少しずつ活発になってきます。肌の潤いと同時に咽頭粘膜の調子を整えるためにも、食養生は大切です。「腹八分医者知らず」とはすばらしい格言です。良質なものを少量いただくよう努めたいと思います。女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 大倉美樹