グリシンは、人の体内でつくられるたんぱく質の元になるアミノ酸です。必須アミノ酸と違って食物としてとり入れなくても、体のなかで合成されるため非必須アミノ酸と呼ばれます。その非必須アミノ酸のひとつであるグリシンですが、安眠が期待できるとされる一部の食品の中に含まれています。
グリシンの作用のひとつに、手足など末端の血流が増加し、熱が発散され、深部体温が低下するため、入眠しやすく睡眠の質が向上することがあります。ただし、体内でつくられる本物のグリシンとは違い、人工的なグリシンは、モルモットの実験によると過剰摂取での副作用が報告されています。
それは、筋肉の緊張が低下し、右回りの円運動が見られたというものです。つまり手足に力が入りにくく、頭では動きたくても体が思うように動かないため、疲れやすく感じられたり、円運動をするということは、何らかの脳の機能異常の可能性が考えられます。
アミノ酸と聞くと、食品だから大丈夫という安心感がありますが、あくまでも人工物とヒトの体内でつくられたものの違いがあることは忘れてはいけないようです。