糖尿病の合併症予防のために社交ダンスを始めたという人や、高齢者が集まるホームで熱心に誘われたので、特に興味がないけれど始めたら、とっても好きになり社交ダンスにはまった人がいたり、また、ダンスパーティーの前に体調を整えたいと鍼灸治療を受ける方など、いずれも80歳代の方たちですが、みなさんお元気で過ごされています。
社交ダンスは年齢に関係なく始められ、ドレスやヘアスタイルなどで自分を美しく見せたいという積極的な願望も出てきて、脳へのプラスの刺激がかなり増える活動といえます。
アメリカで行われた研究では、知的活動のほうが身体的活動よりも、認知症の発症リスクを下げるという結果になったというものがありますが、唯一ダンスだけは、知的活動よりも認知症の発症リスクが低かった、というおもしろい報告があります。
社交ダンスは通常の身体的活動より、感情が刺激されたり、他者との会話が増えるので、言葉がスムーズに出るようになる、社会的活動が活発になるなどの傾向がみられるそうです。また、フリースタイルのダンスでは、次々と動きを考えながら筋肉を動かすことで複雑な信号が脳に送られ、脳の活性化がみられるといいます。
こうした高齢者のご家族としては、ドレスやダンス用の靴、美容院等にお金がかかるなどの、多少の負担は覚悟しなくてはなりませんが、ご本人が楽しく元気に過ごせる範囲でなら、喜んで応援したいですね。