女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

雨や台風が近いとなぜ体調が良くないのでしょうか。

 通常平地では1気圧(1013ヘクトパスカル)の中で生活していますが、台風がくると「中心気圧が980ヘクトパスカルです」などというように、いつもより急激に気圧が下がり、空気の中の酸素の量がいつもより減ってしまいます。すると身体は低酸素な状態になります(夜はどちらかというと低酸素状態です)。

また、太陽が隠れていて暗いということから、脳は活動に適さない状況だと判断し、副交感神経を優位に働かせて、身体を休息傾向にもっていこうとします。それなのにいつものような昼間の活動をしようとするとどうも体がついていけずだるい、眠い、疲れるなどと調子が出ません。

また、気圧の変化で体内では炎症起因物質のヒスタミンが発生することがわかってきました。この物質により身体の各所で痛みを起こすこともあります。また気圧の低下で血管や各組織の細胞から水分が出て行きやすくなり、全身の循環が妨げられ、組織にむくみが生じます。

関節内には水分が元々あるわけですが、そうした部位の循環も悪くなり、痛みにつながると考えられます。脳は低酸素状態になると血管を拡張させて血流を改善させようとしますので、その血管の動きで神経が圧迫を受け、痛みという感覚を生じるとも考えられます。