女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

側彎(そくわん)症とはどういう病気でしょう。

 背中側からみると背骨が蛇行している状態をいいます。何らかの疾患で痛みがあり体を真っ直ぐにしていられずに起こる側彎症は痛みの改善と共になくなります。服を着ているとほとんどわかりませんが、着衣状態でわかるほどの場合は蛇行がかなり激しいものです。

一般的にも背骨の蛇行は多少ありますが、それによって必ず症状が出るわけではありません。原因がはっきりしない場合が8割を占め、その大半が思春期に発症し、ほとんどが女性です。小学校の健康診断で見つかり、そこから骨の成長が止るまで装具で骨格の矯正を行えばほとんどの場合治ります。

今日いらっしゃった下肢に痛みがある患者さんは、腰椎の下の方でかなりな蛇行がありました。小学校の時にすでに腰痛があり辛かったとおっしゃっていましたが、その方の小学校時代はまだ健康診断の項目に側彎症が残念ながら入っていなかったので、早期発見につながらなかったのですね。

脊椎の上の方つまり胸椎での重度の側彎では、心肺機能への影響が出ることもあります。大きく息が吸えなかったり、また背部痛・腰痛などの訴えが出るわけですが、それでも日常生活をきっちりこなす方もいらっしゃいます。

今日の患者さんもそういう方のひとりですが、心理面での変化によって家にこもりがちになり、体調を崩した可能性もうかがわれました。自宅で出来るケアとして、一日に一度は外の空気を吸って少しの時間でも歩くことをお勧めしました。