女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

足の指のタコにもお灸は効きますか?

 ‘タコ’は皮膚胼胝(ひふべんち)と呼ばれ、機械的刺激によってその部の組織が肥厚し,硬くなった状態です。身体の中では他にも心臓や肺を取り巻く組織にもこうした肥厚が起こることもあり、呼吸制限が起こったりもするようです。

鍼灸治療を受けにいらっしゃる患者さんでも足の指や、指の付け根付近(特に親指と小指)などに出来ている方がいらっしゃいます。気にかけている人はひどくなってくると削りますと言う方が多いのですが、そうなる前からこまめに天然の軽石で優しくこすることが理想的です。

もちろん、タコができる原因の追究も大事です。重心が身体の外側にかかっていると小指の方にタコができやすく、そういう姿勢での歩行をしていると膝関節症の原因にもなりますので、歩き方の改善も必要です。とは言っても、痛みがあるうちはつらいので、応急処置としてお灸が使えます。

お灸はモグサを皮膚上で焼く治療法で、モグサというのはヨモギの葉の裏毛を集めたフワフワした綿のようなものをたくさん集め、少し硬くしたものです。そのモグサを直接タコの部分の皮膚に乗せ、お線香で火をつけて焼きます。焼く前に軽石で削れる分は出来るだけ削ります。熱くはありません。

何度か焼いていると熱感がジワーっと伝わり心地よい刺激となります。その辺で終わらせて黒くなった皮膚を拭いておきます。そうしておくと痛みはほぼ感じなくなり歩行がとても楽になります。家で出来るシールで貼るタイプのお灸では少し熱量が足りないかもしれません。