女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

母乳にはたくさんの効用があると聞きますが、何によいのですか。

 母乳は病原微生物の増殖に必ず使われる鉄イオンを病原体周辺から奪うラクトフェリンが含まれていて抗菌作用を発揮したり、病原微生物を溶かしてしまうリゾチームや異物を取り込んで分解するマクロファージなどの感染防御因子が多く含まれています。

そのため母乳栄養児では人工栄養児より病気になる割合や死亡率が低いといわれています。特に初乳は新生児の腸管の免疫の発達に不可欠と考えられています。また赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうと射乳反射が起こり、お乳の噴射のための筋肉がよく動くので授乳の際に母子共に楽になるのです。

さらに子宮をつくっている筋肉を収縮させるホルモンが出ますので、子宮が早く元に戻るという効用もあります。このように母子両者にとってもいい効用が期待されます。また母乳は月例に応じた成分内容になっているので、生後4ヵ月までは母乳は赤ちゃんにとって完全栄養品とも言われます。

赤ちゃんは生まれて数ヶ月までは目の前に出されるおっぱいを吸えば美味しいお乳が出てくるのはわかるものの、このおっぱいをくれるのが抱っこしてくれている自分のお母さんだということはまだ把握できていないと考えられます。

ですので一生懸命お乳をあげても泣き止まない、私のことが嫌いなのかしら?なんて思わないでください。赤ちゃんは発達をしだしたばかりです。赤ちゃんにとって間違いなくお母さんのお乳が最も必要なものなのです。

そしてお母さんはおいしいお乳のために極力余分な糖類は避けておきましょう。余分な糖類はお乳を酸性に片寄らせて赤ちゃんの疳の虫を起こさせることにつながります。