女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

痔が続いていますが、なんとかならないでしょうか。

 痔は肛門の周辺の毛細血管がうっ血することで起こります。仕事での座りっぱなしの生活や冷房による身体の冷やしすぎ、ストレスによる過敏性腸症候群から起こりやすくなる便秘や下痢、暴飲暴食や頻回の飲酒、妊娠や出産、香辛料の刺激などが主な原因となります。

便秘で硬くなった便は肛門を傷つけますし、下痢便も肛門付近の細菌感染を起こしやすくします。そこから腸と肛門まわりの皮膚がトンネルでつながってしまう痔ろうも発生します。 仕事での長座位や避けられない妊娠、出産などによる場合、少しでも影響を減らすためには便秘をしないことが大切です。

そのためには自分なりの規則正しい排便リズムを作りましょう。それには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよくとることが必要です。水分保持能力が強く、便をドロドロの状態にし、小腸で有害物質を吸着して体外へ運びだす作用があるのが水溶性食物繊維です。

また不溶性食物繊維は腸の動きを盛んにし、消化管内で水分をかかえ込んで糞便の量を増やして便の排泄を促進する作用があります。水溶性の方はリンゴ、ミカン等の果物、芋類、キャベツや大根等の野菜類、海藻などに多く、不溶性は大豆、ごぼう、穀類、野菜類などに多く含まれます。

排便時、便器に座っている姿勢は、それ自体が肛門への負担になります。トイレタイムはなるべく1分以内、長くても3分以内がいいようです。それ以上頑張りすぎると、痔は悪化するし、徒労に終わればいいことはありません。

肛門周囲の血流を悪くしない生活環境づくりと食生活を見直すことが改善への近道となると思います。