気候が寒くなってくると、衣服や住居などで防備しますが、もちろん身体自体もそれなりに適応しようとしています。それは暑いときよりも代謝を亢進させ、熱をつくり体温を維持しようとすることでわかります。
ところが、寒冷地に住む人々の中には通常は眠れないほどの寒さにさらされても、眠れるという人たちがいます。彼らの場合、寒さに適応するための代謝の亢進はなく、皮膚近くの血管が収縮して極端に皮膚温が低下します。肛門の中などで測ることのできる深部体温も低下します。
このように寒い地域はエネルギー源となる食物の少ない状況下であるため、代謝アップは得策にはならないということでこのような適応反応が起こるようです。これは気候の順化といわれる人間にもともと備わったシステムです。
そこまで寒冷な土地柄ではない日本では、手足がとっても冷たいと感じるひとたちでも、深部体温はもちろん正常です。だからこそ手足が冷たいと感じるのです。なんとかこの気候に合わせていこうと身体が反応して深部体温を守っています。
手足が冷たくなることのひとつの解消法は、筋肉量を増やして代謝の際に作られる熱を効率よく使うということがあります。身体の中で最も大きな太ももの筋肉を鍛えるのが近道です。もっとも簡単なのが歩くこと!!