女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

★魚の目はお灸(きゅう)がいいね!

つま先が狭い靴やきつい靴、逆に少し大きくて足が靴の中で遊んでしまう靴など、足に合わない靴をはいて、機械的刺激が加わると皮膚が硬くなります。よく見ると、中心にさかなの目玉のような部分を発見することがあります。これが魚の目です。ウイルスが入り込んでいる場合もあるとのこと。特に足の指の付け根付近にできると、歩く時とても痛みます。

そんな時、その中心部分が少し出っ張っていれば、軽石で平らになるまで擦ります。それでもまだ、中心部分は白く充実しているので、その直径に合わせて、もぐさを置いて焼きます。これがお灸です。もぐさを五回十回と置いて焼くうちに、皮膚が黒くなってきます。角質化していますので、熱くも痛くもありません。これで、痛みはほとんど消えます。またできてしまう可能性はありますが、痛みを放っておくと、歩行のバランスが乱れ、腰痛やひいては首肩こりの原因となることも考えられます。

女性のための鍼灸治療室ミキクーレでは、無料のお灸教室を開催します。現在は日程調整中ですが、興味のある方にはご連絡を差し上げますので、前もってお申し出ください。09071729051担当:大倉まで。ご連絡お待ちしています。

★タコの扱いは優しく!!?

足の裏は、タコ(繰り返しの刺激により、皮膚が硬くなった状態)ができやすい部位の筆頭かと思います。ペンだこもありますが、最近はペンだこができるほどペンを持って何かを書くこともないですね。

このタコですが、足の親指の付け根や、足の小指の付け根、かかとなどに多くみられます。
それは、おおむねこの3点にからだの重さがかかっていることも原因のひとつではありますが、やはりハイヒールや先細りの靴を常用したり、足部の筋力の弱まりとともに変形が起き、靴によって圧迫が加わりやすくなることも原因と考えられます。

このタコが育って?しまってもそのまま放置している方が少なくありません。左右でバランスよくタコがあると、それほど違和感を感じなくなってしまうことも考えられますが、特に左右差のあるタコを放置しておくと、歩き方が乱れ、腰痛や首肩こりへと発展もしかねません。また、そのタコを病院で処置していただくわけでもなく、カッターや爪切りなどで切ってしまうという、言ってみれば荒療治をされている方も結構いらっしゃいます。

悪くすれば切りすぎてしまい、炎症を起こしたり、感染を起こす危険性も出てきます。できれば、そこまで行く前に、優しく扱ってあげたいものです。お風呂で充分温めて、天然の軽石(人工のものは削りすぎになってしまうことも)でタコをやさしく擦り、硬さが消えたらそれまでにして、あまりやり過ぎないことが大切です。そのあと、クリームを塗って、履き古した靴下などで覆ってあげて就寝すれば、翌朝にはしっとりとした足裏になってくれています。ぜひ、無理をせずこつこつと擦って少しずつ改善してくださいね。

★無事に出産しました!

妊娠7か月からマタニティー鍼灸に通ってくださっていた患者さんから、無事出産して、今は家でゆっくりしています、もう少し落ち着いたら体調を整えたいので予約します、という内容のメールをいただきました。さまざまなサポート体制の元、出産に臨まれる方がほとんどですが、ご報告いただくと、とても安心します。ご無事で何よりです。おめでとうございます!

産前産後の体調は、人により違いますが、妊娠中や、産後子宮が元の状態に戻るための期間、授乳期間などは、ある意味いつもとは違う身体になっています。授乳のため睡眠が乱れたり、ホルモンの状態も違っているので、生理もきません。女性にはこうしたホルモンの状態が大きく変わる時期が、ライフステージの中で何度か訪れます。そういう時期は、免疫細胞の動きにも変化があることが知られています。女性ホルモンの関係で、自分自身の細胞に対する抗体をつくってしまう自己免疫疾患を発症しやすくなるといわれます。関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどは自己免疫疾患の代表的疾患名です。

ですので、産後はけっして無理をせず、気持ちを穏やかに保ち、身体も緊張をせぬようゆっくりさせてあげたいですね。産後の鍼灸治療は育児に少し疲れたママを心身ともに和らげて、体調を整えるのに適していると考えられます。

★睡眠負債はどのように返済できる?

毎日の推奨される睡眠時間は、7~8時間といわれています。休みの日にいつもの睡眠時間より2時間以上眠れる場合は、すでに睡眠負債がたまっているとのこと。睡眠負債については、最近さまざまな研究結果が報告されています。

①睡眠時間が足りないとがん細胞を攻撃する免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きが抑制されてガンになりやすくなる②睡眠ホルモン(メラトニン)の作用が弱まり、卵子の状態が悪くなる③満腹という感覚の指令にかかわるレプチンの分泌が低下するため、必要以上に食べてしまい肥満を呈する④認知症を起こす異常たんぱくの出現など、身体にさまざまな影響が出ることがわかっています。

負債がある以上、返済しなければなりませんが、一括で休日に寝だめするということでは、睡眠に関する負債は返済できないといいます。毎日の心がけで少しずつ改善し、目覚めがいい状態を作り出すのが理想です。

そもそも睡眠負債を背負い込む理由の一つに、通勤時間の長さがあげられます。こればかりは、そう簡単に変更できませんね。まとまった睡眠時間をとるのが基本ですが、机に伏せたり、目を閉じて静かにしているなど、ちょこっと寝でも返済にはなるそうです。脳は睡眠中も完全に休息しているわけではありませんが、外界からの刺激がほとんどない睡眠中は、脳の中で記憶の整理などの大切な機能が働いています。試験勉強中の人も、この記憶の整理のため十分な睡眠が欠かせません。

鍼灸治療をすると、その日はとてもよく眠れるという方が多いです。全身の緊張がほぐれて、血行もよくなり、リラックスされるようです。

★薄毛は頭皮を大切に!

以前からお世話になっている美容師さんに教えてもらったのですが、薄毛の原因はズバリ、頭皮の乾燥にあるとのこと。髪の毛には、リンスをしたりヘアオイルを塗るなどの気をつかいますが、ドライヤーをかけるときに、頭皮のことを考えている人は、少ないのではないでしょうか。髪にドライヤーをかけるときは、スポイトなどで頭皮に化粧水をたらし、皮膚に浸透させてからかけるようにしましょう!とのことでした。

髪の毛の主成分はたんぱく質ですが、亜鉛が不足するとせっかく食事でとった栄養を体の中で、たんぱく質として使えず、抜け毛・薄毛・白髪などの様々なダメージとなって頭皮に現れます。亜鉛は細胞の中で、代謝を助ける酵素を活性化する大切なミネラルですが、カップラーメンやインスタント食品、スナック菓子などの加工食品を多く摂取すると、不足しがちになり、またストレスやアルコールの飲みすぎでも亜鉛が消費されてしまいます。すると各細胞の働きが妨げられ、血流が悪くなり毛根にもあるいは頭皮の細胞にも影響が出ることになります。

ですので、出来る限りでいいので、加工されていない食品あるいは最低限の加工が施された食品、つまり肉や魚、野菜、玉子、乳製品や豆腐などを自分で調理して、適量摂取することが推奨されます。

また、鍼灸治療はからだ全体の治療をすることで頭皮の血流を改善します。また、頭皮に直接はりを刺す治療法もあり、頭皮の循環改善が期待できます。

★社交ダンスの効用

糖尿病の合併症予防のために社交ダンスを始めたという人や、高齢者が集まるホームで熱心に誘われたので、特に興味がないけれど始めたら、とっても好きになり社交ダンスにはまった人がいたり、また、ダンスパーティーの前に体調を整えたいと鍼灸治療を受ける方など、いずれも80歳代の方たちですが、みなさんお元気で過ごされています。

社交ダンスは年齢に関係なく始められ、ドレスやヘアスタイルなどで自分を美しく見せたいという積極的な願望も出てきて、脳へのプラスの刺激がかなり増える活動といえます。
アメリカで行われた研究では、知的活動のほうが身体的活動よりも、認知症の発症リスクを下げるという結果になったというものがありますが、唯一ダンスだけは、知的活動よりも認知症の発症リスクが低かった、というおもしろい報告があります。

社交ダンスは通常の身体的活動より、感情が刺激されたり、他者との会話が増えるので、言葉がスムーズに出るようになる、社会的活動が活発になるなどの傾向がみられるそうです。また、フリースタイルのダンスでは、次々と動きを考えながら筋肉を動かすことで複雑な信号が脳に送られ、脳の活性化がみられるといいます。


こうした高齢者のご家族としては、ドレスやダンス用の靴、美容院等にお金がかかるなどの、多少の負担は覚悟しなくてはなりませんが、ご本人が楽しく元気に過ごせる範囲でなら、喜んで応援したいですね。

★若い時の骨折のその後…。

骨の成長はおおむね思春期(11~17歳頃まで)過ぎには終わり、それ以降は太さや長さが変わらず、硬い骨になっていきます。思春期の開始から終わり頃までは、さまざまなスポーツや遊びを体験する機会も多いですね。そうした折に受ける外傷や、クラブ活動などで一生懸命練習しているうちに疲労がたまることで起きるスポーツ障害などで、骨折することもあると思います。

まだ、完全に硬い骨に移行する前の子供の骨は、骨折することで、その部位の成長に影響が出ることもあり、例えば肘から肩までの上腕骨の一部で骨折すると、数年~数十年経った後、神経麻痺を発症することがあったり、あるいは腰椎の一部にヒビが入っていてもその段階では、腰の鈍痛くらいで骨折に気づかず過ごしてしまい、30代や40代になってから、そのヒビが元でひどい腰痛が出たりすることがあります。

骨の成分維持には、ヨーグルトやチーズといったカルシウムを豊富に含む食品はもちろんですが、いわしやサケ、干しシイタケなどに含まれるビタミンD、納豆や小松菜、ひじきなどに豊富なビタミンKが大切です。ビタミンDよって小腸からカルシウムが吸収され、ビタミンKによって骨に沈着するという過程を経て骨が丈夫になっていきます。 思春期のお子様のうちからぜひ、こうした食品を意識して摂取できるように、配慮してあげたいですね。さらに、いい食品を摂取しても、胃腸の状態が悪くては消化吸収がよくできません。鍼灸治療は消化吸収という大切な作用を副作用なく手助けできる治療法です。思春期のお子様の拒食や過食は、特に女性にとっては月経との関係で見逃せない症状です。そうした症状の改善にも鍼灸治療は効果が期待できます。