女性のための鍼灸治療室ミキクーレ 美容・健康豆知識集

経験豊かな鍼灸学校講師の女性鍼灸師が、すこやか美人になるための美容と健康のヒントを解説しています。

★疲労感が半端ない!?

先日、身体が重くて疲労感満載です!という方がいらっしゃいました。何でも、今までの仕事時間の60%で給料は減額、けれど仕事量や内容は今まで同様にやらなければならず、気が付くと背中が重くてだるくて仕方がない状態になっていたそうです。やる気が失せてしまいそうです。

ヒトは生命維持に必要なエネルギーを得るために、酸素を消費しています。そして酸素の一部は活性酸素に変換されますが、通常は速やかに処理されます。ただ、オーバーワークになると処理しきれない活性酸素が、細胞のエネルギー産生システムの働きを阻害するとされ、全身の働きに悪影響が出てきます。

体内にある抗酸化物質によって、活性酸素は消去されるので、抗酸化物質の量を維持するよう心がけることが大切です。代表的な食品は緑茶や紅茶、コーヒー、鮭、ゴマ、ほうれん草、にんじん、トマト、ブロッコリーなどで、手軽に手に入る食品です。身体を壊してしまっては、元も子もないですね。

疲労感の元

 

★耳鳴りで試してほしいツボ3つ!

先日、10代でメニエール病と診断された30代の方がいらっしゃいました。それ以来、症状は繰り返されていて、このところ悪化傾向とのこと。耳鼻科に行っても、特段変化なしと言われるそうです。ボーン、ボーンという感じの耳鳴りもあります。

 

何かの原因で内耳に障害がでると、電気信号が減少し、聞こえていた音が聞こえ難くなるため、脳は聞こえない音をつくり出して補おうとして興奮し、実在しない雑音を生み出してしまうのが、耳鳴りとされています。最近は、ポータブル音楽デバイスなどの影響か、若者にもみられるそうです。

 

あっ、耳鳴りが始まった!と感じた時にお勧めなのが、耳の前にある耳門・聴宮・聴会のツボです。この辺りの骨のくぼみを指先でグイと10秒ほど押してみてください。私は何度も経験していますが、耳鳴りがスーッと無くなるのを感じられることが多いです。

耳鳴りのツボ

 

★「ブラキシズム」による頭痛?!

ブラキシズム(歯ぎしり)は、睡眠時にも覚醒時にもあり、なかなか厄介な症状ですね。歯ぎしりは、グラインディング(上下の歯を強くこすり合わせる)とクレンチング(噛みしめ)、タッピング(上下の歯がカチカチ当たる)に分けられます。

 

現在では睡眠時の歯ぎしりは、嚙み合わせが問題ではなく、ストレスや遺伝、飲酒や中枢神経系の障害、抗うつ薬の副作用など様々な要因が考えられています。また、過度の筋活動により、関節部分を緩やかに連結している軟骨の不具合が起きて、関節の位置がずれ、顎関節症の原因にもなるようです。

 

すると関節の痛みに加えて、関節がずれたままで動かすため、周りの筋肉にも負担がかかり、例えば耳の上の筋肉(側頭筋)は顎を上に上げる作用があって、日中にも噛みしめたりしていると、昼も夜も使いっぱなしの側頭筋は過緊張で血流不足になり、緊張性頭痛を起こすなどの悪循環が起きてしまいます。

食物繊維が大事

 

★頻尿の原因は?

一般的に頻尿とされる回数は、朝起きてから就寝までに8回以上です。人によっては、それほど行きたくなくても先のことを考えて行っておこうという場合もありますね。また、頻尿になる原因はさまざまで、膀胱炎や糖尿病、子宮筋腫や膀胱癌、加齢など多岐にわたります。

さらに、高血圧や脂質異常症という生活習慣病があると、膀胱そのものの筋肉が硬くなり、尿を溜めにくくなることもあげられます。膀胱内でも作られる一酸化窒素(NO)は、血管を広げる物質なので、膀胱の筋肉の柔軟性維持にも関与しますが、生活習慣病により、このNOは作られにくくなるそうです。

コレステロール値や血圧を下げる薬に頼らなくても、運動してNOを作ることで頻尿改善が見込めます。一日30分以上、朝昼晩10分ずつでもOKで、速歩などの少し汗ばむ程度の運動が良いそうです。一酸化窒素は動脈でも作られていますので、動脈硬化予防にもなります。続けることが肝心です

速歩で頻尿改善


★日差しが強くなってきますね!

春分の日を境に、日の出から日の入りまでの時間が今までより長くなり、明るい時間が少しずつ増えてきますね。このところの気候変動は極端で、例えば4月に入ったら、いきなり暑くなって半袖が欲しくなる・・・などは普通に起りそうです。

日差しが強くなってくると、消費者側も日焼け対策に躍起になり、そうなると日焼け止めクリームの宣伝も増えてきます。以前にもお伝えしましたが、20代の女性が週に3回以上、日焼け止めクリームを塗っていたら、血液中のビタミンDが欠乏状態になっていた、という実験結果が報告されています。

 

ビタミンDは、腸でカルシウムを体内に取り込むために必要で、一部の食品からも摂取されますが、紫外線を浴びると体内で合成もされます。これから妊娠や出産を望まれる方は、カルシウム不足で骨粗鬆症になどなっていられませんよね。日光の良いところにも目を向けて、過ごしていきたいと思います。

日光浴

 

★心の持ちようはいかようにも。

逆子の方が見えました。お話によると、もっと前から逆子だったけれど、まだ動くから全然気にしなくていい!と言われていて、注意することの説明もなかったようです。コミュニケーション不足を感じ、ご自身ももっといろいろ質問すればよかったと感じられているようです。


この方のように最近は、ぎりぎりまで働きながら出産される方も多く、職場環境などによりお母さんがストレスを感じていることは否めません。そうした場合、どうしても母体は交感神経優位となり、血管が縮まった状態になりやすく、内臓への血流は良好とはいえず、胎児の発育への影響も心配です。

 

逆子になる原因ははっきりとはわかりませんが、母体の骨盤が狭い、羊水量が少なく動きが制限される、赤ちゃんの体が大きいなども逆子になる理由と推測されています。「やれるだけのことをして、もし帝王切開であったとしても、母子ともに健康であれば大丈夫です!」と仰っていました。あっぱれです!

逆 子

 

★不育症の治療法

妊娠希望の方で受胎の後、妊娠数週までは妊娠が進むものの、途中で胎児の発育が止まってしまうことが繰り返される場合に、詳しい検査をして不育症と診断されます。不育症は大きく四つの原因があるとされています。その中でも治療法が確立されているのは、「抗リン脂質抗体陽性」の場合のみとのことです。

この「リン脂質」は、ヒトの細胞の細胞膜を構成する大切な要素で、自分の細胞に対して自らが抗体をつくってしまう状態が、抗リン脂質抗体が陽性であると表現されます。これが陽性だと胎盤で細胞膜の破壊が起こり、胎児への血流障害が発生するのだろうという説が主流です。その場合の治療として、抗血小板薬とヘパリンの併用療法が確立されているそうです。

 

妊娠5~6週から36~37週まで、毎日2回12時間ごとに原則的には自己注射でヘパリンを打つそうです。抗血小板薬は、脳梗塞心筋梗塞などの血栓ができやすい場合の予防薬としても使用されるアスピリンで、またヘパリンも脳梗塞などの血栓性の急性期の治療薬として使われるものです。治療とはいえ妊婦さんが、毎日続けるのは大変なことですね。

不育症の治療法